キャバクラ嬢という特殊な職業柄、夫がキャバクラへ通っていることを「浮気」と認めるかどうかは男女に限らず人によってもさまざまではないでしょうか。
「風俗はアウトだけど、キャバクラなら」と、夫のキャバクラ通いに目をつむっている妻もいると思います。
そこで今回は、キャバクラ旦那と離婚をする方法や慰謝料請求の可否についてを詳しくご紹介します。
キャバクラに通っているだけでは浮気・不倫と認められない
夫がキャバクラで遊んでいるというだけでは法律上は浮気・不倫として認められません。
浮気・不倫は法律上「不貞行為」といい、配偶者以外との肉体関係を指します。キャバ嬢はお店に来た夫の接客をしているだけです、営業行為の一環に過ぎません。
そのため、夫がキャバクラに通っていただけでは法律上「浮気・不倫」とは言えません。
ポイント
- キャバクラ嬢からのLINEやメールは營業の一環
- ガールズバーも同様
キャバクラ夫、こんなときは注意
キャバクラ嬢と同伴やアフターに誘っている場合は、夫が入れ込んでいる可能性があります。
次のような傾向があったら「単なるキャバクラ通い」ではないかもしれません。
- お店に行っていないのに毎日やりとりしている
- キャバ嬢がお店には来ないでと言っている
- お店が休みの日にデートの誘いをしてくる
お互いに好意を持っている可能性があるため、動向には注意が必要です。
キャバクラ通いを理由に夫と離婚できる?
協議(話し合い)でお互いが納得すれば、どんな理由でも離婚することは可能です。
夫が離婚に応じなかった場合でも、キャバ嬢と夫との間に肉体関係があった場合は話が別です。
キャバクラ嬢との肉体関係が無い場合
法律では、浮気のことを「不貞行為」といい、肉体関係を意味します。
どんなに親密な内容のメールを送りあっていても、肉体関係が証明できなければ裁判上の離婚は難しいです。
ただし、次のケースでは離婚できる可能性があります。
- キャバクラに通った頻度、回数
- キャバクラにお金をつぎ込み、生活に支障がある
- 家庭を顧みず精神的苦痛を受けている
法律上の離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」と判断され、離婚請求が認められる可能性はあるでしょう。
キャバクラ嬢との肉体関係がある場合
肉体関係がある場合、法律上の離婚原因である「不貞行為」に該当するため、離婚も慰謝料請求も可能です。
夫が肉体関係を認めるか、不貞行為の証拠があれば、離婚が認められる可能性は高いでしょう。
ただし、メールやLINEなどの内容だけでは証拠能力は弱く、ラブホテルに出入りする写真など決定的な証拠が必要となります。
キャバクラ通いで夫に慰謝料請求できる?
肉体関係が証明できれば「不貞行為」として、夫に慰謝料請求ができる場合もあるようです。
肉体関係がない場合は不貞行為には該当しないため、不貞行為を理由として慰謝料を請求することは難しいケースが多い。
キャバクラ通いの頻度が高く、その結果、家庭が崩壊し、夫婦関係が破綻に至ったような場合には、夫婦関係を破綻させた責任として、離婚慰謝料が発生する可能性はあります。慰謝料を発生させるほどの頻度、回数などの事情が必要ですし、肉体関係がある場合と比較すれば慰謝料額は低くなるでしょう。
弁護士法人アイリス
キャバクラ嬢への慰謝料請求はむずかしい
キャバクラ通いが原因で離婚に至ったとしても、キャバ嬢への慰謝料請求は難しいようです。
ただし、不貞行為が証明できる場合には慰謝料請求ができる可能性もあり、徹底的な浮気調査をすれば、その可能性もなきにしもあらずかもしれません。
- お店と関係なく肉体関係があった
- キャバクラへ行っていると思ったら、キャバ嬢の家に行って浮気していた
というケースもあり、不貞行為の証拠があればキャバクラ嬢に対しても慰謝料請求ができます。
しかし、キャバクラ嬢という職業の特殊性から、キャバ嬢に対する慰謝料請求は一般的な浮気・不倫の事案に比べてハードルが高く、一概には言えません。枕営業をしたホステスへの慰謝料請求が認められなかった事例もあります。
枕営業は不倫に当たらないとした判決も
7年にわたって会社経営者の男性への枕営業を続けていたホステスに対して、慰謝料400万円を求めて起こした裁判では「營業の一環」として不倫とも不貞行為とも認められず、慰謝料請求は認められませんでした。
2015年の記事ですが当時は大きな波紋を呼び、物議を醸した判決。キャバ嬢への慰謝料請求をする際は、弁護士にしっかりと相談したほうが良いですね。
決定的な肉体関係の証拠を取るなら探偵に依頼
夫とキャバクラ嬢の不貞行為を証明するなら「決定的な証拠」が必要です。証拠集めは自分で行うこともできますが、素人では証拠収集能力にどうしても限界があります。
離婚や慰謝料請求をしたいなら、確実に不貞行為を立証できるものを準備しておきたいですね。
不貞行為を証明するには
- ラブホテルやキャバ嬢の家に入る写真や動画
- ラブホテルの領収書、ポイントカード
- 泊まりで旅行をしたことが分かる写真、領収書、カードの利用明細
夫のスマホをこっそりと確認する程度のことはできますが、夫とキャバ嬢を尾行するのはむずかしいですよね。
「裸で2人で写っている写真」「LINEのやりとり」といった証拠では裁判では証拠不十分となる恐れがあるため、探偵に調査報告書を出してもらうことをオススメします。
調査報告書には、夫とキャバ嬢の行動の詳細な一部始終を時系列にまとめて写真や動画などの記録媒体に残してくれます。調停や裁判になった場合にも、調査報告書があれば不貞の立証にあたって強力な証拠になります。
まとめ
キャバクラに通っているだけでは、法律上「浮気」として認められませんが、夫婦が合意すれば離婚することはできます。
慰謝料請求に関しては、肉体関係が証明できるかによって可能性が変わりますが過去には認められなかった事例もあるため一概には言えません。
決定的な証拠をおさえておけば、少なくとも離婚は認められるため、肉体関係の有無は調べておいて損はないでしょう。離婚となれば、養育費や親権などといった問題も出てくるため、有利な立場を取るためにも、強力な証拠があなたを守ってくれるに違いありません。